10月9日 金曜日
プレイスパニカ(スペイン人がやってくる前の時代)の料理が終わって、
今日からはコンベントゥアル(修道院の)。
メキシコからたくさんの食材がヨーロッパにいき、
今のヨーロッパの料理の基礎になったわけですが、
メキシコにもヨーロッパから今までになかったものが持ち込まれました。
修道院でのシスターの生活は厳格なもので、
普段はフリホーレス(インゲン豆)にお塩すらなしで食べていたそうです。
病気の時に一番好んだのがタマル(包んだものの意味で、一般にはとうもろこしの生地を葉っぱにくるんで蒸します)
つまりプレイスパニカ時代から人々が食べていたものを好んで食べたというのもおもしろい話。
そうした生活から、修道院ではメキシコの人々が食べているものをどんどん学んでいったのだそうです。
さて、
そんな時代のお料理たち。
ソパ・デ・カモテ(サツマイモのスープ) オレンジ色のもの
クリームスープのようですが、クリームスープより少しゆるいとろみであったとのこと。
サツマイモそのもののデンプンのみがたよりです。
サツマイモは、シラントロ(パクチー)と一緒にゆでます。
今ではメキシコ料理に欠かせないシラントロですが、実はスペインが持ち込んだもの。
タマネギとニンニクをラードで炒め、そこにゆでた水といっしょにミキサーにかけたサツマイモを加えます。
味付けはお塩と胡椒のみ。
��胡椒は大きな粒のPimienta Gorda。唯一以前からメキシコにあったもので、辛味としてではなく、香り・旨味のために利用します。)
ギソ・モリスコ(ムスリム風煮込み) 上の大皿
野菜のみを美味しく食べるのに非常に適した料理。
シスターたちにはとてもよかったことでしょう。
��あ、でも今回はラードが入っています。ムスリム風なのに?)
キャベツを千切りより太く切り、アニスを加えてゆで、水を切ります。
アニスは、キャベツやカリフラワーなどの臭みをとるため。
ラード→タマネギ→ニンニク→トマト→塩・コショウ→ゆでキャベツ→ゆでヒヨコマメの順に加え調理したら、
軽くつぶしたクミンとシラントロの種で風味づけします。
タマネギとトマトは煮込みの一部なので、少し大きめに切ること。
クレモレ・モレレンセ(モレロス風クレモレ) 中央の大皿
モレ ・・・ソース
クレモレ・・・火を入れたソース
モレロス州にはたくさんの修道院がありました。
これは必ず牛肉のChambareteチャンバレテというスネにあたる部分のお肉を使うこと、とのこと。
骨から旨みが出てきます。
初めに、
Ⓐ 緑トマトとチレ・セラーノ、タマネギ、ニンニクを茹でてからミキサーにかけ、ソースにします。
Ⓑ 茹でた水を再利用して、シラント、イタリアンパセリ、エパソテをミキサーにかけます。
Ⓐのソースをラードで炒めたら、Ⓑを加えて、
固いものから野菜を加えます。
若いトウモロコシの2-3センチの輪切り、サヤインゲンの2-3センチに切ったもの、ハヤトウリは好きな
切り方で。
ここに、ゆでたチャンベレテを加え、
チャンベレテをゆがいたスープを足しつつ煮込んでいきます。
大きめのコロコロに切ったズッキーニも加えて。
やはり味付けは塩・コショウのみ。
酸味が足りなければ、好みでレモンを加えます。
素朴なお味ですが、かなりいい感じです。
アルカパラード・デ・ガジーナ(鶏肉のケッパー風味) 下の大皿
セボジン(葉のついた小タマネギ)を少し葉の部分を残して、6-8等分し、ラードで炒め、
ニンニク→緑トマト→トマトの順に加えます。
やはり緑トマトとトマトは少し大きめのコロコロ。
胡椒、クミン、シナモンはモルカヘテで粉にしてから加え、
つぶしたケッパーを加えます。
お塩とお酢で味を整えます。
ただし、お酢についてはひとこと。
この時代に使われたお酢は「Madre de vinagre」といわれるもの?で、黒砂糖みたいなピロンシージョの水からできたお酢、またはリンゴ酢だったとのこと。
甘くて非常に柔らかい酸味であったので、
ほんの少しの白いお酢(サトウキビのもの)を加えるようにとのことでした。
チャンプラード あれ?写真ない・・・
チョコレートを加えたアトレのチャンプラード。
どこでも飲まれるこのパワフルな飲み物は、ずーっと昔から飲まれてきたもの。
というわけで、
昨日作ったチョコレートを使って作ります。
マサ(トウモロコシ生地)は手でちぎって、水に溶かしてドロドロにします。
ミキサーにかけることが多いけれど、本当は風味を飛ばすのであまりよくないらしい。
水をお鍋に入れて火にかけ、そこへドロドロのマサを少しずつ加えトロットさせます。
チョコレートを加えてできあがり。
100%カカオのチョコレートなので、少しお砂糖も加えます。
チョコラテ 茶色の飲み物
また、プレイスパニカ時代の飲み方として、別途チョコレートも。
チョコレートは古来からバニラや食用花などで風味づけされてきましたが、
唐辛子とも一緒に飲まれてきたとのこと。
最近、レストランなどで唐辛子とチョコレートの組み合わせが、発明かのようにもてはやされているけれども、
実は昔からの飲み方だそうです。
チレ・ピキン、チレ・デ・アルボル、いろんなチレで作ることができるけれど、
今回は、チレ・モリタ。
チレ・クワレスメーニョ(ハラペーニョ)の小さいものを燻製にしたもので、
香りがすばらしいんです!
風味が出やすいように、チレの先っぽだけを少しちぎって、沸騰したお湯にいれ、チョコレートを溶かすだけ。
プレイスパニカ時代にはお砂糖がなく、ハチミツなどを使っていたので、すこーしだけお砂糖を加えます。
なんとも力強い味。
そりゃ、チョコレートを飲むと元気になるのも納得。
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